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The Tailor of Panama テイラー・オブ・パナマ

アメリカ映画 (2001)

ダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)がハリー・ポッターとして一躍有名になる直前に出演した惨めな映画。「惨めな」と言うのは、監督のジョン・ブアマンによって徹底的に差別されたからだ。ダニエルの役は、ジェフリー・ラッシュが演じるテイラーの息子だが、テイラーの娘を演じたのは監督自身の娘。元々テイラーの子供達の出るシーンは少ないが、そのほとんどで、監督は悉く娘を優先し、ダニエルを無視している。娘に台詞はあってもダニエルにはなかったり、ピントが娘にしか合っていなかったりと散々だ。ダニエルが『ハリー・ポッターと賢者の石』の主役に決まったのが2000年8月。『テイラー・オブ・パナマ』の初上映が2001年2月なので、撮影段階ではダニエルがハリーだったとは分かっていなかったのが差別待遇の理由。もし、分かっていたら、立場は逆転していただろう。監督の娘は子役でも何でもなくて、これ1本に出ただけの素人なのだから。

映画そのものは、『裏切りのサーカス』『ナイロビの蜂』『寒い国から帰ってきたスパイ』などの映画の原作者として知られるジョン・ル・カレの『パナマの仕立屋』(1997)の映画化。嘘の世界に行き、嘘を付くことに生きがいを感じているようなテイラーと、都落ちしたスパイが嘘を利用して退職後の資金を盗み取るという内容が新鮮ではあるが、それに振り回される英国情報部があまりにふがいなくて非現実的過ぎるという欠陥も抱えている。その中にあって、ダニエルの登場シーンは9ヶ所。だから、あらすじは述べずに、登場シーンのみを紹介する。

ダニエル・ラドクリフは、ハリー・ポッターの直前出演だけあり、『賢者の石』とほぼ変わらない。もっとも、横顔か、ピンボケか、極端に小さいかの3つしか見ることができないが。


登場シーン

スエズに赴任したMI6のスパイが、情報源のターゲットとしてテイラーに白羽の矢を立て、どんな人物かを遠くから双眼鏡で伺うシーン。画像は、双眼鏡ごしなので、意図的にボカしてある。右に映っているのが母。
  

それに続く、車内でのシーン。ピンボケでなく顔が多きく映るのはこのシーンのみ。しかし、うつむいた横顔でしかなく、目も見えない。
  

同じく、その続き。車から降りて学校に向かう。顔が見えるのはこの一瞬のみ。この後の、娘を別の学校の前で降ろすシーンでは、ちゃんと顔を正面から撮影し、会話も入っている。
  

映画開始後25分。一瞬だけ子供達が映る。夜、テイラーが子供部屋を見に来るシーンだ。ここでも、ダニエルは寝顔がチラと映るだけ。娘とはちゃんと会話シーンがある。
  

映画開始後40分。テイラーが用意した朝食を子供達がもくもくと食べるシーン。ピントは手前の娘に合っていて、ダニエルは最後までピンボケ。最初の双眼鏡と違い、意図的な差別だ。
  

先ほどの続き。ようやくダニエルの顔が、ほぼ正面から、ピンボケなしに映され、少しだが台詞もあるが、顔があまりにも小さい。
  

映画開始後1時間。夫のテイラーと、お客(スパイ)との関係に疑問を抱いた妻が、家族での週末にスパイを招待するシーン。ここでのダニエルは、帽子を被った横顔で、誰が映っているかすら判別しにくい状態だ。
  

映画開始後1時間30分。テイラーが、抵抗運動のリーダーに仕立て上げた男〔実は、将来の「マッド・アイ・ムーディ」〕と会いに、1人で出かけるシーン。1人ではなく、家族と一緒だったらどんなに楽しいだろうかと、頭の中で一瞬よぎる幻の中の映像。
  

映画開始後1時間45分。ラスト直前。テイラーが、今まで妻についてきた嘘をすべて打ち明け、許しを請うシーン。妻が許す前に、子供達が2階から降りてきて、家族が何となく丸く収まり、めでたしめでたしとなる。テイラーの顔に比べ、ダニエルの顔があまりにも小さい。
  

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